2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論2

日付
2011年04月21日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
Paradigm10:これからのデザインが目指すべき道
受講生の感想

記:小島 寛之

第4回 記:小島 寛之

小島@真空総合機器メーカー勤務です。

大気圧から宇宙空間までの圧力は感覚的にわかりますが、右脳と左脳があまりにもアンバランスなため、STRAMDに来ました。

さて今回の講義2回目では、STRAMD Paradigm10の「講義の基本視座と姿勢」の説明が引き続き行われました。
いくつか要点をピックアップします。

<感動的経営環境の創出>
できるだけ感動的な経営環境というものを創ろう。
企業の身体(物的・技術的)を直すコンサルティング、心を直す(人的)コンサルティングは沢山ある。ところがデザインというもの通じて感動的な経営環境を生み出すことによって潰れそうな会社を救う、また商品の価格、品質改善しないと売れないもの売れるようにする、これは感動(エモーション)の力。
デザインは確実に一人歩きをしてくれる。宣伝を何もしないが、勝手に受け入れられてファンが増えてくる。それは一体なんなのか、キーワード一つで言うと、確かにそこには感動(エモーション)があった。数字的に定量的に価値を証明できない「感動的な経営環境」の事例を沢山知ってもらい、経営マネジメント上、マーケティング上にぜひ活かしてほしい。

<一流企業とは何か>
企業は、「生産機関(商品、サービスを作る)」+「経済機関(お金に変え、売上や利益を上げる)」が工業化時代での一流企業として量的価値ナンバーワン企業であったが、現代では「環境機関(地球・地域環境を配慮)」+「人間機関(従業員や地域住民を配慮)」+「文化機関」として成り立つ存在価値オンリーワン企業であることが重要になってきた。
例えばINAXの場合は、日本の公園はトイレは4K(汚い、怖い、臭い、壊れている)と言われたトイレの日陰ものを日向ものにするということを当時の社長と話して運動を始めた結果、段々世の中に認められて、INAXブランドのトイレが選ばれるようになって、それが生産機関としても経済機関としても成功の道をたどった。反面、東京電力は、一時のがれにとりつくろって間にあわせるための方策ばかりで、起こっていること自体が何が起こるか彼ら自身もわかっていない。そういう意味では「生産機関」「経済機関」側だけでとまっていた量的価値ナンバーワン企業かもしれないが、現代流に考えると決して存在価値オンリーワン企業ではない。つまり一流企業とはいえない。

<現代(脱工業化・情報化時代)企業の経営資源は「現代の経営資源」とは何か>
普通思い浮かべるのは「人、もの、金、情報」まで。しかしこれだけ勝てる時代ではなくなってきた。「人、もの、金、情報」が当たり前の経営資源になると、これらをどう活かすかという想像力、明日の時代をどう読むかという洞察力、これらのものを使って活かして新しい価値を創っていくという開発力、この3つが重要な経営資源になる。またそれだけではなく、どんないいことを考えてもいいものを作っても、それがいいという形で相手に情報として伝わらないと意味をなさない高度情報化社会においては、優れた表現力、演出力、伝達力、これらも現代の企業にとって重要な経営資源である。サムソンと松下は同じ販促費を使いながら、一方は19位、もう片方は72位。この差はは何なのか、それは情報の演出力がまずかったのでないだろうか。これがサムソンと松下のブランド力の差になった。

以下所感
右脳と左脳のハイブリッド化がすぐできるというわけではなく、一度頭の中を絶対空間のように「真に何もない、空っぽな状態」にして講義を受けることにしました。そうなると、本当に質問が出なくなるのですが、その反面「なるほど!うまいこというな!知らなかった。そういうことだったのか!」と驚き・納得・感動ばかりです。次の日の朝にはリセットされ、仕事を開始すると先日聞いた講義内容がじわじわ思いだしてきて、「あっこういうことだったんだ!」と本質理解に至ることが連続して起こります。日常はいつも価格や技術や品質問題にばかりに追われる毎日ですが、ここに感動が入り混じってきた感じです。なんだか自分の中で汽水域ができた(?)せいかモチベーションがあがってきました。これは1つのSTRAMD効果といえるかもしれませんね。

以上

(2011.4.26 記)

《STRAMD》

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