2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論4

日付
2011年05月17日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
合同講義:人生とデザイン
受講生の感想

記:小川名 珠梨

第10回 記:小川名珠梨

「今日はどんなことが学べるのだろう」という期待の気持ちを胸に、勢いよくオフィスを駆け出しました。

通常、私の仕事のはお客様先での仕事が多く、また、宿泊出張となることが日常茶飯事です。
週に2日も定時にオフィスを退社できるのはきわめて稀なケースです。
しかし、上司、周りの先輩や同僚の支援があるおかげで、このように学校に通うことができ仕事と勉強とが両立できています。本当に感謝しています。

さて、今回の講義は中西先生による公開授業で、桑沢デザイン研究所の夜間部の学生との合同授業でした。いつもとは違う大きな教室に椅子がびっしりと並べられ、桑沢デザイン研究所のOBである中西先生から学ぼうとする学生たちで教室は埋め尽くされ、活気に溢れていました。
この講義は私の楽しみにしていた講義のひとつでもあります!なぜなら、中西先生の自伝を聞くことができ、数々の素晴らしい功績を残してきた先生は、一体どのような幼少・学生時代をおくってこられたのか、とても関心があったからです。

'私の人生は不連続(カタストロフィ)とチャレンジ(or蛮勇?)から成り立っている'

この一文から先生の自伝論は始まりました。

中西先生の生い立ちを簡単に記載させていただきます。

中西先生は神戸のご出身で、高校を卒業され、上京し、BAUHAUSに強く影響され、
BAUHAUSのシステムを勉強できる場所として紹介された 桑沢デザイン研究所 に入学されたそうです。
在学中にデザインで作ろうとする意志決定者はメーカーのトップ、企業の経営者ということに気づかれて、
”経営者に理解される理論”を開発しようと思い、早稲田に入学をされました。
入学後はデザイン研究会をつくり、会員増大のためにデザインの力を使ったプロモーション活動を行い、
約30名⇒300名ほどにされました。また、在学中にはデザインポリシーを著書されるなど、デザインに関する実績を残されてきました。そして、1968年にPAOS設立され、今日に至るまで、数々の大企業のCIを手がけられています。

先生の自伝論を伺い、まさに最初の一文が相応しい人生を歩まれていると感じました。
桑沢デザイン研究所に入学を決められまでの経緯や早稲田大学への受験勉強の話から、学生時代から自身の勉強したいことに強い信念や考えを明確に持たれ、人生を歩んでこられてきたこと、同時にやりたいことへの情熱や行動力が伝わってきました。
そして、先生のお話ではの人生を歩んでいくための大切なヒントを頂いた気がします。

下記には先生の講義で心に残った言葉を書きたいと思います。

'デザインを作るのはデザイナーではなく経営者である。'

先生が桑沢デザイン研究所に在学中に上記のことに気づかれ、”経営者に理解される理論”を開発することを決意されたそうですが、私も現在の仕事で同じようなことを強く感じます。
私は大学でマルチメディアの勉強を通して、その表現力や方法を学び、その裏の仕組みをもっと知りたく、現在のシステムを作る会社に入りました。
入社した会社では優秀な同僚や先輩たちと共に働き、丁寧に考えられたロジックが美しいアーキテクトのシステムを作りあげてきましたが、そのアーキテクトを説明しただけでも、お客様に理解していただくことは難しいのです。また、アーキテクトだけでなく、画面のデザインに至るまで、見た目も中身もコンセプトもシステムを買うことに決断を下すキーパーソンの心を動かすものでなければいけません。
そのため、もう一度デザインを経営の目から勉強したいと思ったきっかけでもあり、これから考えていかなければいけない課題でもあります。

'重要なのは自分自身をデザインしていくこと'

これは常に先生がSTRAMDのクラスで訴えていることでもあります。
私も自分自身をデザインするため、それ以前に、自分自身をもっと深く知るため、
好きなことでも嫌いなことでも、なぜ、それが好きなのか、嫌いなのか、自身に問いかける訓練をしています。そうすると、全く別のことでも、突き止めていくと理由は同じになることがあります。
そうして、自分自身を少しずつ、紐解いて、考え、自分が”どのような人間になりたい”かと定めることは私のSTRAMDでのテーマでもあります。それに沿って歩んでいくだけで、残された時間の価値も変わってくるように思います。

'断られても御礼状、挨拶状をだすこと'

この言葉はこれから就職試験をこれから行う学生へのメッセージとして送られていた言葉です。
そして、私にとっては一番印象的な言葉でした、このようなことが自然にできる人は私の一つのなりたい人間像だからです。
このような振る舞いが行えるのは、今のある縁を大切にしている証拠であり、結果的には感謝の気持ちを常に持つことができる人こそ、いざという時に周りの人の助けを得て、機会(チャンス)を得ることができます。もちろん、機会を得るだけでなく、相手に感謝するという気持ちは自分の今ある状況に恵まれているとポジティブに考えることでもあるので、自分自身をハッピーにするためにも、健康的な気がします。

そのほかにも、西新宿の定点撮影のビデオをもとに”アーカイブの大切さ”を教えてくださったり、'5感で学ぶ習慣をつける'となど、ここには書ききることができないほど、今回も多くのことを学び、そして、考えさせられました。

中西先生はブログも書かれているので、ご興味がある方はぜひ、ご覧下さい。

(2011.5.21 記)

《STRAMD》

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