2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

現代中国デザイン事情と背景

日付
2011年11月26日 18:30~
場所
東京ミッドタウン
概要
日本人が簡単に理解し難い文化・歴史・伝統工芸の拡がり…
受講生の感想

記:高森 紗津樹

第45回 記:高森紗津樹

まず、講師の王超鷹さんをご存知ない方のために。

■王超鷹(おうちょうよう)
工芸美術デザイナー、グラフィックデザイナー、漢字専門家、トンパ文字専門家、CI戦略家、ブランディング・コンサルタント(PAOS上海代表)。

1958年中国上海市生まれ。
幼少より中国伝統工芸を学び、30年以上にわたり研究活動を続けている。
本場中国でも屈指の専門知識と高度な技術を身につけ、
また、文字造形に関する研究も各界から高く評価される。

日本の進んだデザインを学ぶため1987年に来日。
92年に武蔵野美術大学修士課程 (視覚伝達デザイン専攻) を修了し、
中国と日本の文化を結ぶ架け橋として広く活躍する。

1998年PAOS CIデザインネットワーク上海を創設し、今日へ至る。

現在、新聞コラムへの執筆活動や、中国美術、デザインに関する著作活動のかたわら、
上海市工程技術大学客員教授、武蔵野美術大学大学院特別講師なども勤め、後進の指導にもあたる。
(http://www.visualogue.com/speakers/wang_j.htmlより引用)

絵画、切り絵、篆刻、書道、詩作、グラフィックデザインなど、その才能は多岐に渡り、
中国に訪中した要人に贈呈される篆刻の印鑑も彫り、
日本の政治家だけでも100本以上にのぼるそうです。

一芸に秀でる者は多芸に通ずと言いますが、
まさにその通りの方。。

当日フェルトの切り絵を見せていただくことができましたが、
とても見事で驚いてしまいました。
A1サイズほどの大きさでしたが、いつもの4分の1のサイズだそうです。

さて、本題の「現代中国デザイン事情とその背景」について、
個人的に興味深かったのは、

中国では英語など他各国語による企業名や商品名を中国用に中国語でネーミング開発するケースが多いが、
それは中国でよりその意味を伝えやすくするため、
という話です。

日本での場合、海外のアルファベット表記の企業はそのまま日本に進出してくるケースが多いため、
どうして中国では漢字に置き換えるのか疑問でした。

例えば日本でも冷凍食品を代表する企業ニチレイ。
ニチレイは中国進出した際、思うように商品が売れず王さんのところに相談に来たそうです。

調べてみるとニチレイのロゴは中国人にとって工業系の企業をイメージし、
口に入れるものだとは思えないことが分かったそうです。

そこで企業名を日冷食品に、
Nを形どったロゴマーク→口に入れるものを連想できるマークへ
変えたところ、売上げが飛躍的に伸びたそうです。

その他いくつかの事例をもとに、
中国の歴史や文化に触れながら説明してくださいました。

他にもコンピューターでの漢字表記の問題(そのことについて言及した中西さんのブログ)、一人っ子政策と教育、中国の今後のゆくえなど話は尽きませんでした。

今回の講義は復習のためにももう一度ビデオ聴講し直そうと思います。
王さん、大変貴重な講義をありがとうございました!!!!

《STRAMD》

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