2017年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2017年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

サスティナブルデザイン論

日付
2017年11月15日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:一戸 敦子

 「サスティナブル」という言葉の意味を知ったのは、益田文和先生のご講義が初めてでした。「サステナブル(sustainable:持続可能な)って何なのだろう? ステイブル(stable:安定した)の仲間かな?」などと首を傾げながらこの日の講義に臨んだところ、益田先生の驚くほど魅力的な生き様をうかがって、すっかりその意味に魅了されました。

 資源の乏しい日本列島。だからこそ環境を大切に保全しながら、限られた資源を有効に活用して、未来を支えるような長く続くデザインを創り上げる必要がある。それこそが「サステナブルデザイン」なのだそうです。

 益田先生は1970年代からインダストリアルデザイナーとして様々な製品デザイン開発や地域産業のデザイン振興プロジェクトに携わっておられました。1991年に株式会社オープンハウスを設立し東京の都心で活躍されていた先生は、2013年に山口県の中山間部に活動拠点を移されたそうです。電気も水道もない自然の大地の中に、自らの手でログハウスを建て、ソーラーパネルを立てて、オフィスを創り上げました。太陽が出ている時(電気が使える時)に仕事をして、太陽が沈んだら家に帰る。働くべき時に働いて、蓄えができたら次の働くべき時までゆっくりと休む。サステナブルデザインを、まさに自らで実践されているのです。何という人生だと心底驚きました。

 そして講義の中で一番心に残った言葉は、「SLOC」というキーワードでした。小さく存在し(Small)、(リスクを)分散して(Local)、常にオープンに発信しながら(Open)、世界と繋がりシェアをする(Connected)。益田先生のミッションであるSLOCは、現代のグローバル化・成熟化が進んだ網策化時代(中西先生のお言葉)において、人間としても企業としても、新しい道を歩むための行動指針になるかもしれないと気づきました。

 仕事をしていると、「いかにたくさん良いものを作り上げるか」「効率的に仕事ができるか」などという考えを貫きがちです。「もっと、もっと」と追い求め、多くのものを付け加えて膨張していく。そんな在り方に、ちょっと疲れたなという思いを感じていました。そんな中で、サステナブルデザインの「余計なものを削ぎ落とし、大切なものに集中する」という考え方に触れて、新しい在り方をつくれるのではないかと感じました。

 じつは、2017年11月15日に受けたこの講義のブログを、いま現在2018年3月31日に書いています。STRAMD第8期の修了式直前になってしまいまして、本当に申し訳ありません。まだまだ私には、益田先生のお言葉を実践できるような力も余裕も備わってはいませんが、STRAMDで学んだたくさんのことを礎に、これからも頑張って新しい道を築いていきたいと思います。貴重なご講義を、本当にありがとうございました

《STRAMD》

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