2017年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2017年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

企業の社会的価値

日付
2017年08月30日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:諏訪 美香

主語が「企業」になると、なぜ、
「ひと」の気配がとたんに薄くなるのだろう?
これは、わたしが最近ぼんやりと考えていることだけれども、
今回の講義を受けたあと、
「受け手発想で考えること」「人間起点で考えること」が、
これをひもとくヒントになるかもしれない、と感じた。

たとえば、500mlペットボトルのキャップは、
アクセントカラーがついていたり、
メーカーのロゴや商品名が印字されていたりする。
6年前に、東日本大震災の影響で、
ペットボトルのキャップがメーカーを問わず、
白色無地に統一されたことがある。
キャップが白くなっても使い勝手には問題ないし、
環境への負荷が軽減されるのであれば、
白キャップのままでいいのではないかな、
とわたしは思っていた。
さかのぼって思いだしてみれば、
むかしはキャップはほとんど白かったのだし。

白キャップに対する消費者の反応を調査した記事がある。
当時、「白いほうがよい」とこたえたのは、
男性14.3%、女性32.4%という結果がでている。
どちらかといえば白を支持した答えを合算すると、
男性38.1%、女性56.3%となる。

参照:「日経BPネット」2011年
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110524/271100/


キャップにデザインを施すのは、商品訴求という理由からだろう。
しかし、キャップにまでそうする必要は
ほんとうにあるのかというと、
ちょっとあやしいなと、わたしは思う。
メーカー名だけが印字されたキャップに、
なんの意味があるのだろう?
商品の買い手(受け手)にとっては、
ラベルで商品がしっかりと識別できることが第一だ。
また、白キャップにすることで製造コストが削減されるならば、
そのぶん、価格や、中身のおいしさに還元してもらいたいと
思うのではないか。

いま、ペットボトルのキャップは色とりどりに戻った。
売るためには、消費者の欲望を喚起しなければならない。
そのためにあらゆる手段をつくしたい、
というのは送り手にとって当然の思いだろう。
生産と消費をくりかえす社会は、
何世代も前からずっと続いていて、
私たちは逃れることはできないのだから。

ただ、そうであっても、
そこで少し立ちどまり、送り手である自分も
一人の受け手だということを思い出せたなら、
「それってほんとうに必要?」と考える余裕をもてるなら、
世の中に送り出されるものは、
すこし変わってくるかもしれないと、わたしは思う。

ーーーーーーーーーー

…たとえそう思ったとしても、
それを実行・実現させるのは相当にたいへんだし、
それよりもやらなければならないことがたくさんある、
というのが企業ってものなのかなー、と思ったりもします。
大企業に勤めたことがなので、好き勝手に書かせてもらいました。

《STRAMD》

ローディング中