2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

ユニバーサルデザイン

日付
2011年07月07日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
ユニバーサルデザインの基礎:あらゆる使い手を意識する事
受講生の感想

記:久保寺 敏美

第26回 記:Toshimi

「知っていること」と「知らないこと」の差。

紙一重の本当に小さな差が、人の一生を左右する。

この差を大切に生きている人は、アンテナをはり、まず気づく。
そして深く努力を重ね、自分のものにしていく。
また、'聞くは一時の恥~'と、中西先生のいう'先生徒'の姿勢を持ち、
若い人から先駆者にまで、ちょっとしたコツ、腑に落ちない部分を素直に聞く姿勢をもち、
さらには、正しい情報を止めず、知っていて知らないふりもせず、
'百聞は一見に如かず'と、まわりに正しくシンプルに伝え、気づかせる。

そのような人は強い。

本日のUD(ユニバーサルデザイン)の授業では、「知ること、気づくこと」の大切さの再認識!の
講義でした。

==理論部分講義==
UDとは、普通のことを見直す動き。
便利で快適な社会になったと思いきや、それは、「若くて健康で右利きの男性」がである。
ユニバーサルとは 、「個を目指す」という意味が含まれ、
UDとは、あらゆる使い手に快適で使いやすい環境や物を提供することを
目指す社会的な意識や態度である。

故ロナルド・メイス氏(ノースカロライナ州立大学センター・フォー・ユニバーサル・デザインの
所長兼建築家)らによって1990年代に普及し始める。ADA法を通過し、更に広まる。

UDの重要な原則は7つ
principle1 公平な使用への配慮
principle2 使用における柔軟性の確保
principle3 簡単で明快な使用法の追求
principle4 あらゆる感覚による情報への配慮
principle5 事故の防止と誤作動への受容
principle6 身体的負担の軽減
principle7 使いやすい使用空間(大きさ、広さ)と条件の確保

自分が使いやすいと 思っていても、他の人はどうか?小学生は?高齢者は?手を痛めている人には?
本当の本当に理解し、自分のものにできていますか?

==実験部分講義==
このような理論部分のお話がはじめあり、その後、いくつかの実験
・握力や視力が低下したことを想定し、目隠し
・軍手を片手に2枚つける
・親指と人差し指をテーピングまくなど
の状態で、薬のパッケージをあける・ボールペンをつかうなどの実験を
を通しながら、難しさを気づき、自分以外の人の気持ちに気づき、知っているだけでなく、
実際に試して自分のものにしていく感覚を理解し、製品や施設がどうあるべきかを学んだ。

さらに、デザイナーは、
人を「平均」ととらえるのではなく、「個性の違う、多様な人の集まり」と意識・理解することが
大切であり、期待通りを作るのがベストでなく、期待以上のものを出すこと、
とあるべき姿勢も確認した。

このような理想は、忙しく、時間に追われていると忘れてしまうものであるし、
そもそも、考えていない人も多いのかもしれない。

これは、デザインだけでなく、教育でも、何にでも言えることで、多数派を作りあげ平均を確保し、
少人数派を切り捨ててしまうことが多い気がする。「全員満足なんて無理」
「グローバルの時代、IT時代知っていて当たり前」という姿勢でなく、
「もしかしたらわかりにくいかも」「よりわかりやすく」を理解して、実践できる人に私はなりたい。

この講義を機会に、少しでもUDの実践に心がけ、感覚や気づける力を大切にし、行動し、
自分のものにしていきたい。

UDが当たり前になり、UDという言葉がなくなる日のために。

stramdを偶然知ったこと。

知っている人と知らない人の差。

知っているからこそできる思いやり。

本質から逃げず、隠れず、忍耐強く。

大切にしていきたい。

(参考資料)ユニバーサルデザインの教科書 日経BP

《STRAMD》

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